PUBG Mobile各サーバの場所を探ってみる
PUBG Mobileのサーバについて
たまにはシステムエンジニアっぽい記事を書いてみます。
PUBG Mobileでは、KRJP、北米、ヨーロッパ、アジア、南米、中東のサーバがあります。少し前に、プレイするサーバを変えると60日間は別のサーバに変えられないという史上まれに見るクソアップデートが入ってしまいましたので、サーバ選びはかなり重要になっています。
日本からだと、KRJPまたはアジアが妥当なところですが、北米も結構大丈夫です。中東もプレイできなくはありません。ヨーロッパ、南米になるとかなり難しくなります。
pingとは
ネットワークの世界では、2台のネットワーク機器が相互につながっているかを確認するために、pingというコマンドを使用します。WindowsのPCを使用している方は、Windowsのコマンドプロンプトで「ping -4 www.google.com」というようにコマンドを実行すると、自分のパソコンからgoogleのサーバまでネットワークがつながっているか、応答が返ってくるか、どのくらいの応答時間なのか、というような情報が確認できます。
pingについてですが、意識高い系エンジニアはピンと読みますが、ピングと読む人のほうが多い気がします。pingコマンドは、宛先のサーバやPCに少量のデータを送って、その応答が返ってくることを確認するコマンドです。このときの応答時間を計測し、ネットワークの速度を計測します。といっても、大量のデータを送ったときのデータ転送速度ではなく、反応時間という意味になります。上記の例では、googleのサーバから応答が返ってくるまでの時間が25msということを表します。
PUBG Mobileにおけるping
PUBG Mobileでは、設定画面のサーバ選択部分と、プレイ中の画面左下にping応答時間が表示されます。
厳密に言うと、PUBG Mobileで表示されるこの応答時間はpingとは関係ありません。pingはICMPというプロトコルを使用しますが、PUBG Mobileの場合はUDPというプロトコルを使用しています。ただ、一般にはこのようなサーバの応答時間をping値と呼んでいます(このブログでも、面倒くさいのでping値と呼ぶことにします)。
2021年1月時点で、PUBG Mobileのサーバに異常が発生しており、サーバ設定画面のping値と、実際にゲームが始まったあとのping値が全然違う現象が起きています。そもそもこのそれぞれのping値は別々のサーバに対して計測しており、サーバ設定画面でのping値が正常でも、ゲームが始まったあとのping値が異常になることがあります(200ms-300msくらいになる)。原因は不明ですが、私はこの現象をアジアサーバで確認しています。ひょっとするとアジアサーバに特化した問題なのかもしれません(サーバの混み具合?)。だとすると、基本的なping値でサーバを選ぶのではなく、サーバの混み具合も加味してサーバを選択する必要が出てきます。
私はPUBG MobileにiPadを使用しています。このiPadに有線LANケーブルが使えるようにするアダプタを接続し、PCに接続してパケットキャプチャをしてみました(ようするにネットワークを流れる情報を覗き見する、ということです)。
この結果を見ると、UDP9030ポートに22バイトのデータ(おそらくユーザID的なもの)を送り、そのデータがそのまま返ってくるまでの時間を計測しているようです。
サーバはどこにあるのか
結果をみると、pingの送受信に使われるサーバは下記のようです。また、最近はIPアドレスを入力すると、そのサーバがどこにあるのか地図で出してくれるサイトもありますので、参考までにその場所も調べました。ただし、同じサーバ名(FQDN)でも、負荷分散のために複数のIPアドレスを持つことができます。そのため「私の自宅からみたこの時点のIPアドレス」のサーバの場所です。データセンター自体も場所が分散されている可能性がありますので、あくまでも参考レベルの情報です。
サーバ | アドレス | プロバイダ | 場所 |
KRJP | kj-se.shadow.igamecj.com | Tencent cloud computing | 韓国/ソウル |
北米 | naping.igamecj.com | Tencent cloud computing | アメリカ/ロサンゼルス |
ヨーロッパ | eu-fra.shadow.gamecj.com | Tencent cloud computing | ドイツ/フランクフルト |
アジア | as-hk.shadow.igamecj.com | Tencent cloud computing | 香港 |
南米 | saping.igamecj.com | HUAWEI CLOUDS | シンガポールまたはブラジル |
中東 | me-du.shadow.igamecj.com | Microsoft Corporation | ドバイ |
場所のリンクをクリックすると、サーバアドレスから場所を検索することができます。ちょっとわからないのは、南米サーバがシンガポールとブラジルにあるんですよね。パケットキャプチャしたIPアドレスはシンガポールのものでした。南米サーバといっても、アジアから南米サーバにつなぐとシンガポールに行く説があるかも・・・。
ちなみに、最初の図にある通り、私の自宅から南米サーバのping値は結構悪いです。南米サーバがシンガポールにあるならもうちょっと速いと思うんですが。
さいごに
たまにはエンジニアっぽい記事を書いてみました。他にもネットワーク面から調べてほしいことがあれば言ってください。このくらいでBANはされないと思いますが、解析行為なのでBANされるかも!というかこの程度の表面的な技術情報でBANされるくらいならPUBGやめるよね。